台湾駐在員報告



2024年8月 社会・時事
駐在員 : 市川 美奈子


 台湾には「台風休暇」という特別休暇がある。風力と雨量が一定の基準に達すると見込まれる場合などに、地方自治体の首長が当該地域の休暇を発表する制度だ。
7月24日と7月25日には、「台風3号」の影響のため、各県市政府が相次いで「台風休暇」を発表した。台湾のほぼ全域(24日は金門県のみが通常出勤)で2日連続台風休暇となるのは史上初だったという。
台風3号は、7月25日午前0時ごろ宜蘭県に上陸。台北市内では一体どんな被害になるのかと身構えていたが、幸いなことに台北市内の雨風はそこまで強くはならず、約4時間半をかけて台湾本島を横断していった。
一方、台湾中南部は今回の台風で大打撃を受けた。高雄市内では、過去72時間の降雨量としては歴代5位の多さとなる1,914oが観測され、史上初となる「市内全域3日連続の台風休暇」が発表された。特に被害がひどかった高雄市内の山間部では、7月末の時点で既に1週間以上も休暇が続いている。農作物の被害も甚大で、7月末時点での農作物の被害総額は 28億1,876万元に達している。特に、グアバ、ナシ、バナナの被害が深刻だったようだ。
海と空の交通機関が遮断され、文字通り「孤島」となってしまった離島部も大変だった。ビーチリゾートとして人気の澎湖島には夏休みを利用して多くの人が押し寄せており、結果的に台風で帰れなくなった人が続出した。7月25日から26日にかけて、澎湖島内の空港には4,000人以上の観光客が滞留していたそうだ。民間航空機のみでは到底輸送力が足りず、空軍が出動し、観光客が空軍輸送機で台湾本島に「輸送」される事態となった。
 地震や台風などの自然災害が相次ぐ台湾だが、本格的な台風シーズンはまだこれから。「災害時の備え」 を意識しながら、日々の生活を送りたい。

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