中国駐在員報告



2009年6月 社会・時事
駐在員 : 若田部 孝


新型インフルエンザへの対応  

 5月31日現在、中国(香港を除く)において新型インフルエンザの患者数は、33人となった。
 「今回の新型インフルエンザは、2003年のSARS(サーズ)以来、中国にとって最大規模となる公共衛生事件であり、中国が衛生防疫システムを再編後、初めてとなる大きな試練となった。
 当初の段階から予防対策を高度に重視し、一般市民にリアルタイムに状況を知らせ、出入国時の管理の強化に取り組んだ。西側のメディア等は、中国の対応はやりすぎだと非難するが、一般市民は不満を唱えておらず、専門家は市民の生命を守るために、やりすぎはない。」と地元紙は報道している。
 5月27日付けの別の報道では、北京市在住の新型インフルエンザ患者が市内の地下鉄に乗ったときの状況が、動画として公表された。さらに、同車両に乗った市民に警戒を呼びかけるなど、新型インフルエンザに関する国内での予防対策も強まっているようだ。
 なお、世界的な今回の新型インフルエンザの発生により、中国の国際観光の分野では、北米や日本などを中心に海外への旅行者数が減少するとともに、北京市等の観光地でも、海外からの観光客が減少するなど、いろいろな面で影響が出てきている。特に、中国から日本への旅行のキャンセル記事が、最近は特に目立つようになってきた。

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