東南アジア駐在員報告
2017年3月 経済
駐在員 ： 吉住理恵子
本県は、県産品の輸出拡大支援のため、海外輸送にともなう技術課題とその対応方法の把握、解決のため、様々な角度から調査に取り組んでいる。その一環として、２月初旬、県農林技術研究所によるシンガポールへの空輸過程における輸送環境の実態解明に向けた実証実験が行われた。
三井化学シンガポールＲ＆Ｄセンター（ＭＳ-Ｒ＆Ｄ）のラボや検査機器を使用し、県産イチゴ(紅ほっぺ)を中心に空輸による鮮度変化や、傷み、空輸・陸送時の振動影響を計測した。また、ＭＳ-Ｒ＆Ｄや、鈴与潟Vンガポールの現地社員等の協力も得て、シンガポールで多く販売されている米国、韓国、エジプト産等のイチゴ等との比較、日本産他県イチゴとの比較などの嗜好調査を併せて実施した。
輸出拡大には、販路開拓やＰＲイベントだけでなく、輸送技術や資材の開発に向けた科学的見地からの検証も大切である。自治体試験機関単独による海外での実験や調査には、機器準備や環境確保などのハードルがあるが、今回はＭＳ-Ｒ＆Ｄの協力を得て、日本に近い環境で研究員がストレスなく計測を行うことができた。
現地の関係機関と実のある形のコラボレーションを重ね、行政だからこそできる進出支援を考えることが大切だと改めて思う。
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