中国駐在員報告
1999年4月 社会・時事 駐在員 : 今村 理一郎
・中国バイアグラ事情
この程、中国国家薬品監督管理局が各支局に緊急通知を出し、市場に流通する「偉哥(ウェイガ:バイアグラの中国語訳)」の取り締まりを指示した。
同通知は、「偉哥は米社製の薬品で、中国においてはまだ臨床研究の段階であり、現時点では同薬品の輸入や国内生産などは認可されていない。国内の一部病院で臨床実験に使われているものを除き、現在市場で販売されているものはすべて偽物である。」という内容である。
バイアグラは、中国では日本以上に有名かもしれない。この「偉哥」は、『偉大な兄貴』という意味で、中国における「偉哥」というブランドの無形資産価値(商標権)は7億元超になったと言われる。
現在、「偉哥」商標の申請が相次いでおり、30社以上の国有企業から国家工商行政管理局に申請が出され、大部分の企業が同局から商標申請受理書を取得している。バイアグラが認可されていない以上、商標申請受理書はただの行政書類に過ぎないが、各社はあたかも認可されたかのように取り扱い、様々な製品が販売されている。形状はカプセル、錠剤、アンプル剤、飲み薬と色々だが、とにかく何らかのかたちでバイアグラとつながりがあるように努力している。しかし、中国の「偉哥」は、バイアグラではないのである。
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