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ヨーロッパ駐在員報告
2000年7月 経済 駐在員 : 森貴志
大企業役員の年収は平均250万マルク―ドイツ
人事コンサルタント会社スペンサー・スチュアートのドイツ子会社がこのほど発表したところによると、1999年のドイツ株式指数(DAX)構成銘柄となっている大手企業30社の役員の年収は平均250万マルクとなり、97年に比べ40%上昇したとのことである。企業によりかなりの開きがあるものの、100万マルクを下回る役員はほとんどいなかったという。
今回の発表内容は独週刊紙ツァイトと協力して、昨年の事業報告を基に算出したとのことであり、その中でトップはドイツ銀行の役員であり平均年収は840万マルクとなり、2年前に比べ3倍以上増えている。
また、取締役会全員に対する報酬合計額は、ダイムラークライスラーが17人に対し1億800万マルクを支払ったのが最高で、平均では630万マルクと2年前の3倍となっている。これに対しルフトハンザは役員が3人で、合計380万マルクと少なかったとのことである。
今回の調査の中で役員報酬が2年前に比べ減少したのは、英子会社ローバーの巨額損失に振り回されたBMWだけであり、平均160万マルクだったと発表された。
一方現在、女性の社会進出が目覚しいとされているが、今回の発表では対象企業には女性役員は1人もいなかったと報じている。
役員報酬が増えている要因としては、ストックオプションなどで優秀な人材を引き抜きにかかる「ノイアー・マルクト」上場のベンチャー企業に対する警戒の意味もあるという。
(参考:7月1日現在、1マルク=51.85円)
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