東南アジア駐在員報告
2014年6月 社会・時事 駐在員 : 芦澤裕之
近年、タイでは、著しい経済発展やビザの緩和措置等により、訪日旅行需要が急増している。このため、本県は、今年度からタイに観光連絡員を置き、タイの旅行会社や関係機関に、直接、静岡県を売り込む予定である。
5月初めに、本県観光交流局のタイ国政府観光庁訪問への同行と、観光連絡員設置の準備のためにバンコクを訪問した。また、5月上旬以降は、シンガポール国内の観光関係機関や、旅行会社への訪問活動を集中的に行った。
タイ国政府観光庁では、昨年の山田長政まつりにも御参加いただいたスリスダ東アジア局長から、今後の静岡・タイの観光交流増大への期待と、そのための静岡側の継続的な取組への要望があった。
シンガポールの関係機関では、各地で行われる旅行博での取組方法や、誘客に成功している自治体の事例を伺うことができたが、こちらでも、タイ国政府観光庁訪問の際と同じく、行政と民間が一体となった、継続的な取組の重要性を強調された。
東南アジアからの訪日旅行市場は既に成熟しつつあり、特にシンガポールにおいて顕著である。北海道が人気の旅行先であることは各国共通だが、東京から大阪を結ぶ、いわゆるゴールデンルートは、シンガポールではもはや人気がなくなり、九州、沖縄や中部横断ツアーなどが人気になってきているという。
各自治体が「次の北海道」を狙ってしのぎを削る中で、静岡にチャンスはあるのか。旅行関係者や旅行会社の企画担当者に北海道人気の理由を聞いたところ、「食、花、自然が素晴らしいから」という言葉が返ってきたため、静岡への誘客の大きな可能性を感じることができた。
食、茶、花の都であり、富士山を望む静岡県には、東南アジアの旅行者が日本に求める要素がすべて揃っている。その証拠に、旅行会社の企画担当者に河津桜や、清水のすし、うなぎ、牧之原のお茶、B級グルメなどの情報を提供すると、いつも新しい旅行先を探している彼らの目付きが変わってくるのが分かる。
本物の観光資源を持つ本県ならば、県と市町、観光団体、宿泊施設、レストラン、旅行会社などの関係者が一丸となり、継続的な活動を行うことによって、近い将来、東南アジアに静岡旅行ブームを巻き起こすことができると確信している。
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