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東南アジア駐在員報告
1999年5月 行政 駐在員 : 篠原清志
・香港、サイバーポート計画を巡る動き
香港政府は3月、シンガポールや台湾に遅れをとっているハイテク情報産業のための基地を、香港島南西部の26万uの敷地に建設すると発表した。
この計画では、2007年までに、世界最高のインテリジェント・オフィスに、ハイテク情報産業に必要な最新のインフラをすべて設けるほか、ショッピングセンター、住宅、教育施設からレジャー施設まで建設するとしている。開発費用は住宅の分譲によって賄い、オフィスの賃貸料も低くなるというもの。
しかし、問題は開発業者の選定である。政府幹部は、この計画はパシフィック・センチュリー社(PCG)のリチャード・リー会長からの提案を受けたもので、開発も急がなければならないとして、同社を開発業者に指定した。ところが、これに他の有力デベロッパーの10社が反発、住宅部分は入札にすべきと要求していたが、5月3日には政府方針に従うこととなった。
このプロジェクトについては、現在立法会でその予算承認の審議が行われているが、PCGが買収したばかりの上場会社に開発権を譲渡する方針と報道されると、この上場会社の株が急騰、PCGは大きな利益と開発資金を難なく手にしているのは不当だとか、デベロッパー10社が簡単に納得したのには、政府との裏取り引きがあるのではないかなど、毎日大きな注目を浴びている。
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