台湾駐在員報告



2017年12月 社会・時事
駐在員 : 宮崎悌三


 台湾と言えば小籠包などが有名だが、世界的なパンのコンクールで上位に入賞するパン職人が何人もいる。
日本で販売されている台湾観光のガイドブックにも掲載されているパン屋「呉宝春麥方店」(店主は呉宝春氏。本店高雄市のほか台北市・台中市にも店舗を展開)は、いつ訪れても客足が絶えない。フランスで開催される世界一のパン職人を決める大会「クープ・デュ・モンド・ド・ラ・ブーランジュリー」の2008年チーム部門2位を獲得した「酒醸桂圓麺包(龍眼パン)」、「マスター・ド・ラ・ブーランジュエリー」の2010年個人部門で優勝した「荔枝玫瑰麵包(ライチ薔薇パン)」は、少し値段が張るが人気のパンである。
 今年、フランスで2年に1度開催される別の製パン国際コンクール「モンディアル・デュ・パン」で、呉宝春氏と同じ高雄市内に店を構える陳耀訓氏らが参加し、世界各国から参加した居並ぶ強敵を抑えて優勝を果たした。これで、台湾チームが前回2015年大会に続いて総合優勝を果たしたことになる。
 優勝した陳氏が勤める「幸福的味道 巴黎波波(ル・パン)」に先日訪れてみた。一日に数回店頭に並べられる焼きたてのパンは、見る間に完売したが、それでも美味しいパンを購入しようと店を訪れる客足が途絶えない。味にこだわる台湾の消費者に支持されて腕の良いパン職人が次々と育つ風土が、ここにはあると感じた。

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