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東南アジア駐在員報告
2000年4月 政治 駐在員 : 岩城徹雄
マレーシア・シンガポール間の懸案が解決の方向へ
マレーシア政府が1998年9月に資本規制を導入したことにより売買が禁止され、凍結状態にあったシンガポール国際店頭市場(CLOB)のマレーシア株の処理方法が両国の間で政治問題となっていたが(いわゆるCLOB問題)、このほど2つの処理案が示され解決に向うこととなった。
マレーシアの民間企業エフェクティブ・キャピタル社が提案した案は、売買禁止となり凍結されている株をマレーシア決済機構の個人口座に移管し、2000年7月から13か月をかけて、段階的にクアラルンプール市場に放出するというもの。
もう一つの案は、シンガポールの決済機構とマレーシアの証券決済自動通信網会社が提案したものだが2003年1月から9か月をかけて段階的に行うというもの。
17万2千人にのぼる凍結株の所有者は、3月27日までにいずれかの案を選択し申請することとなっていたが、93%にあたる16万人余がエフェクティブ・キャピタル社の案を選択した。同社の処理方法によれば凍結株を売却する際の送金課税が免除されることが、選択の大きな理由であると見られている。
* 送金課税;マレーシアでは、非居住者が保有するリンギ建ての資産
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