東南アジア駐在員報告
2016年12月 社会・時事 駐在員 : 吉住理恵子
11月4日、アホック・ジャカルタ特別州知事(現在,知事選に出馬のため休職中)によるイスラム教を冒涜したとされる発言に抗議して、大規模集会(デモ)がジャカルタの独立記念塔広場周辺で行われた。10万〜20万人が参加し(国家警察発表)、参加者と警官隊の衝突をきっかけに、一部参加者が暴徒化。警察車両が焼かれるなどの騒乱となり、治安当局者8人が負傷、約160人が病院で手当てを受けたと警察は発表した。
アホック知事は、大統領に就任したジョコ・ウィドド氏の後任として、ジャカルタ特別州知事となった初の中華系クリスチャンである。庶民派で、政治的手腕の評価は高いが、問題発言が多いことは以前から指摘されていた。ただし、今回のデモは宗教的背景よりもジョコ大統領反対派の扇動も噂されている。
11月25日、12月2日にも大規模集会(デモ)が許可された。これらのデモは政府統制下で、場所や時間が限定されて実施されており、市民生活に危険はないが、外出を控え、オフィス待機とする企業も多かった。その結果、この期間はジャカルタ名物の渋滞がなくなったとのことである。
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