台湾駐在員報告
2022年11月 経済 駐在員 : 宮崎 悌三
10月13日、台湾当局は新型コロナウイルス感染症の水際対策を緩和し、入境時の隔離を解除した。具体的には、コロナの水際対策として、入境者に求めてきた「居家検疫」(隔離)を免除し、7日間の「自主防疫」(簡易検査キットで陰性が確認された場合に外出を可とする措置)のみとした。加えて、入境者数の上限を1週間当たり延べ15万人に引き上げ、団体旅行も解禁した。
台湾交通部(国土交通省に相当)は、訪台旅行者数について、2022年は延べ70万人を目指す方針を示し、その上で、2024年に新型コロナウイルスの感染拡大前の1,000万人規模の水準まで回復させたいとしている。
しかし、かつては日本からの修学旅行で宿泊先となっていた複数のホテルの廃業や、観光ツアーのガイドの多くは他の仕事に就くなど、施設や人材の不足もあって受入れの課題も多いようだ。在台湾の日系観光事業者は、コロナ下で仕事がないときも最低賃金だけを支給し、人材をつなぎとめてきたが、ようやく報われるときが来たと話していた。
多くの人が訪日を待ちわびる一方で、台湾から日本への航空便の予約は思ったほど伸びていない。旅中商品(渡航先での各種ツアー、周遊券、入場券等を販売)を扱う旅行会社によると、コロナ前と様変わりして、販売の4割程度が「おひとり様」とのこと。その理由としては、感染リスクがある状況のもと、家族、友人等との旅の計画が立てにくいこと、子ども世代にはワクチン接種がまだ十分に行きわたっていないことや、高齢者がいる家庭ではまだ感染動向を慎重に見極める人が多いこと等が考えられると分析していた。職場での旅行に関しても、感染した場合に業務に支障を来たす可能性があることから慎重な動きのようである。
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