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ヨーロッパ駐在員報告
1999年9月 経済 駐在員 : 森 貴志
電力市場で価格破壊―自由化から1年経過
長い間、地域ごとに電力市場が独占状態であったドイツで、その自由化から1年あまり経過し、現在、値下げ競争が激化している。これは、業界大手が一般家庭向けに格安料金での電力供給に踏み切ったためである。
ドイツ電力市場は1998年4月に自由化された後、各地に振興会社が設立され、製造業、金融機関、小売業者などの大口需要顧客を対象に最大30%の電気料の節約が可能となった。この夏、各社が一般家庭市場を対象に開拓を開始し、大競争時代に突入した。
国内最大手のRWE(本社エッセン)が、一般家庭への格安料金の電力供給を発表すると、第3位のバーデン・ビュルテンベルグ電力(本社カールスルーエ)も対抗し、月額基本料金の引き下げなどを行った。この他にも、基本料金無料、インターネットで申し込めるサービスなど各会社がさまざまなサービスを提供し始めた。
競争激化により、年間200マルクの電気代の節約ができるとの試算も出ているが、大衆雑誌「シュピーゲル」によると、ドイツの標準家庭の電気料は、欧州各国と比べていまだ高水準であるとしている。
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