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東南アジア駐在員報告2002年10月 その他 東南アジアでの日本茶の人気ぶり
9月10〜15日にマレーシアの首都クアラルンプール郊外で、同国国際茶文化協会が主催する茶の国際展示会が開催された。中国系マレーシア人が主体の中国茶を主な対象にした展示会で、国内の出展業者が多い中、台湾や中国本土からの出展者に混じって大阪に本社を置く日本茶の業者も出展していた。同社の販売代理店のマレーシア人従業員の話では、メディアで日本茶の効能などが紹介され少しずつだがマレーシアでも販売量が増えてきている、日本茶は価格が高いので中国系の比較的収入の高い人たちが飲む程度だが、ビデオなどを使って一般の国民にも広報をかけていけばもっと消費拡大が図れるはずだとのことであった。同社のブースにはかなりの人が集まり、関心の高さを示していた。 9月26〜28日には同じくクアラルンプールで、茶とコーヒーの展示会が開催された。こちらはアメリカに本社を置く雑誌社の主催で、生産者や業者を対象にした商談会という色合いが濃かった。茶も紅茶が主体であり、中国茶の出展もあまりみられなかったため、アジアでの開催の割には少し寂しい感じであった。しかし日本から参加した日本茶輸出組合のブースには、日本茶への関心の高まりを反映し、商品の種類、価格、加工機械などに関する問い合わせが多く寄せられた。中には茶葉を輸入、加工しパッケージして売りたいので適当な業者を紹介してほしいというシンガポールやマレーシアの業者もおり、潜在的な需要が感じられた。 8月中旬には日系デパートのクアラルンプール店で静岡フェアが開催された。同店の話では、 2年前に開催した日本茶のフェアが好評だったため、今回日本茶とわさび、うなぎを中心にした静岡の産品を集めフェアを開催した。日本の夏休み時期で日本人客が最も少ない時期にありながら、地元の消費者が大勢来てくれたので大盛況であった。どの商品も好評だったが、特に日本茶とその関連商品(茶そば、抹茶入りケーキなど)の人気が高く、日本茶の缶へのつめ放題は売れ行きがよすぎて期間中最後の2日間は商品がない状態だった。購入者の傾向としてはやはり中国系の人たちがほとんどだが、値段が高い方から売れていったとのこと。 中国系の人は昔から医食同源の意識が強く、健康にいいものには金を惜しまないからというのが同店担当者の分析であるが、それだけにまだ一般的にポピュラーな商品とまではなっていないようである。日本茶の効能など正しい情報を伝えることにより、広い層への浸透を図りたいとのコメントが添えられた。同店では静岡フェアを機に日本茶関係の棚を3倍に広げている。 最後に参考として、シンガポール政府の統計を紹介する。同国への緑茶の輸入は以下のとおり増加しており、金額の3分の1ほどを日本茶で占めている。
金額=1,000シンガポールドル(1,000シンガポールドル=約7万円) |
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