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東南アジア駐在員報告
2000年1月 政治 駐在員 : 篠原 清志
インドネシア、国軍内の分裂、宗教対立の激化
一連の民主化を支えてきたウィラント国防・治安調整相(前国軍指令官)をはじめ、 ワヒド政権で入閣をした軍首脳に対して、現在の国軍制服組からの批判の声が大きくなっている。
また、マルク州アンボン島でのキリスト教徒対イスラム教徒の対立は日増しに激化しており、犠牲者も千人単位で語られるようになっている。さらに首都ジャカルタでは、現政権を支えるイスラム政党のリーダーが、インドネシアのイスラム国家化などイスラム色を強烈に主張してきていて、それに呼応するイスラム教徒の群集がテレビに映し出されている。
民族・宗教の対立の中、軍や警察の治安維持能力も落ちていて、インドネシアは分裂と混乱の危機にある。このような中、ユウォノ・スダルソノ国防相(文民)は、インドネシアでも、パキスタンのように軍部によるクーデターが起きる可能性を警告している。
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