ヨーロッパ駐在員報告
1999年4月 政治 駐在員 : 森 貴志
・ユーゴ、コソボ紛争
NATOの軍事介入から数週間がたっているが、コソボ自治州のユーゴ軍、警察はアルバニア系住民の強制排除を組織的、計画的に行っているようだ。フランスの新聞に報道されたコソボのアルバニア人の証言によると、軍、警察が一軒、一軒しらみつぶしに住民を家から追い出し、身分証明書を捨てさせて、駅に集め、列車で隣国のマケドニアなどに送り込んでいるという。連れてこられたマケドニアでは、国の警察が難民の流入を食い止めるために入国を拒むため、難民は国境付近で立ち往生をしているという悲惨な状態である。
こうした状況を見捨てておけない欧米諸国は難民の一時受入れを開始したが、その後の難民の処置はどうなるのかは楽観視できない。「クルド人」の問題を含め、日本では、あまり意識を持たない「国土」に対する厳しい現実を見せられる。
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