ここから本文です。
東南アジア駐在員報告
2001年7月 政治 駐在員 : 岩城 徹雄
・マハティール首相、マレー人の奮起を期待
マレーシアの最大与党の統一マレー国民組織の年次党大会が6月下旬に開催され、マハティール首相は、マレー人の経済活動への参加が不十分であり積極的な姿勢が必要との演説を行った。
マレーシアではこれまで30年間にわたって「ブミプトラ(土地の子)」政策によりマレー系国民を優遇する政策がとられてきた。教育、雇用、融資など多くの分野での優遇により商工業部門への参入を支援するものであるが、同首相はマレー人は未だ経済の30%も掌握しておらず、(優遇で得た権利を非マレー系国民に売り渡してしまうような現在の状況が続くようなら)今後も経済で重要な位置を占めるのは難しいとの見解を示し、奮起を促した。
一方で、同首相は6月27日に、現在2人いるマレー系の政治秘書に加え3人目の秘書として中国系の人物を採用した。在任中初めてとなる中国系の政治秘書には、同国の中国系国民への対応を期待しているといわれるが、多民族国家の政治運営の複雑さを伺わせる。
日付別一覧 地域別一覧 分野別一覧
|