台湾駐在員報告
2019年4月 行政 駐在員 : 宮崎 悌三
3月23日、全国299の自治体が参加する「自転車を活用したまちづくりを推進する全国市区町村長の会」(会長:菅今治市長)の主催で、「第1回全国シクロサミット」が和歌山市で開催された。
サミットに参加した台湾の自転車新文化基金会の羅祥安会長から、自転車新文化推進には、自治体の長期的政策と積極的な推進の努力などが必要と訴えたという。羅会長は、台湾の自転車メーカー「巨大機械社」の創設者である劉金標氏と二人三脚で、同社を世界的な自転車メーカーに育てた人物である。台湾は今でこそ、サイクリングの先進地と認識され、自転車で島を一周する「環島」が日本でも知られるようになったが、20数年前までは、自転車に乗る文化が根付いていなかった。劉氏は、巨大機械社からサイクリング文化推進のため、競技団体の強化(ツール・ド・台湾の開催、選手育成)や、自転車新文化基金会を設立など、自転車に乗る文化を育てることに取り組んだ。
劉氏が当時の台北市長であった馬英九氏と出会い、サイクリストである同氏からインフラへの投資にコンセンサスを得たころから、行政との連携が深まり、成人の通過儀礼として、サイクリングで島を一周する「環島」が始まった。
日本においても行政のトップがサイクリストであるかどうかが、巨大機械社及び自転車新文化基金会に、パートナーとして「選ばれる」 密かな条件になっており、羅会長の発言の背景にある台湾での取り組みにその答えがある。
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