東南アジア駐在員報告
2004年11月 行政
駐在員 : 橋本勝弘
シンガポール 会社法の改正 現地法人の設立発起人1名で可能に
政府は、シンガポールを一層国際的に競争力あるビジネスセンターとするため、第3回会社法の改正を4月1日から施行した。また、第4回改正草案が、一般からの意見募集を9月20日に終え、間もなく国会で承認される見込みである。そこで、第3回、第4回改正の概要を報告する。
今回の改正の目的は、@より良いコーポレートガバナンスの確立、A透明性の高い税務情報の提供と国際的に広く認められた会計基準の採用、Bビジネスコストの削減等を含む会社法の全般的な枠組みの見直しで、これは会社法規制度委員会(Company Legislation and Regulatory Framework Committee)が2002年10月に答申した77項目の会社法及び制度の改善勧告を、全て政府が承認または、承認する見込のものである。主な改正は次の通りで、番号は答申された77項目の番号である。
Recommendation | 会社法 | 主な改正内容 | |
番号 | 内容 | ||
1. 5 | 企業の資金調達方法の緩和 | 第18条 | 企業の公募による資金調達が可能に |
1. 6 | 会社設立手続きの簡略化 | 第144条 | 類似商号の調査廃止、会社の看板掲示の不要 |
1.11 | 企業の株主、取締役の人数 | (新)第4条、第17条ほか | 発起人:1人でも可 株主:1人でも可 取締役:1人の居住取締役でも可 |
3.7 | 取締役の免責条項の明文化 | (新)第157C条 | 職業的専門家やエキスパート等の情報アドバイスによった場合の取締役の責任免除 |
3.18 | Web-cast/dial-in情報開示と電子的通信による株主に対する法定報告書の配布 | (新)第387A条、(新)第387B条 | 電子伝達方法による法定報告書の配布。電子伝達方法による召集通知や会社の株主・役員・監査人への書類送付(判読可能なものに限る。) |
5.2 | 預託証券台帳上のみなし株主・所有主 | 第130A条ほか | 預託証券台帳上のみなし株主 ・所有主の対象証券となっていたシンガポール上場証券以外の証券も可能に(上場証券の制限を廃止) |
2.18 | 株式の額面及び授権資本金の概念廃止(草案) | (新)第62A条 | 会社の株式は無額面 |
2.19 | 減資(草案) | (新)PartWDiv3A第78条A | 減資による資本金の変更手続きは裁判所の承認が不要に |
2.23 | 金庫株(草案) | (新)第76B条(6A) | 自社株の買い戻し後、金庫株として保有することが可能に |
5. 8 | 合併プロセスの効率化(草案) | (新)第215A〜J条 | 合併手続きがより効率的及び効果的に行えるよう法制 |
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