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ホーム > 交流・まちづくり > 国際交流 > 地域外交課 > 海外駐在員報告 > 東南アジア駐在員報告

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東南アジア駐在員報告

2002年11月 経済
駐在員 : 岩城 徹雄


尾を引くか、ベトナムの二輪部品輸入制限

    ベトナム政府が本年9月に唐突に実施した二輪部品の輸入制限は、11月5日に外資系企業に限って輸入枠の追加が通達され、部品不足で操業停止を余儀なくされていたホンダとヤマハ発動機の現地法人は生産を再開した。
    国内産業の育成の他、バイクの交通事故多発、環境対策などが理由とされる輸入制限措置であるが、新たに発売されたホンダの低価格モデルへの対抗措置ではないかとの見方もあるようである。筆者は10月下旬にベトナムを訪問しホーチミン、ハノイの日系企業、工業団地などを訪問したが、その際伺った話は概ね次のとおり。
    拡大するベトナムのバイク市場にあって安価な中国製のシェアが急速に伸びてきている(01年11月のトピックス「中国製バイクの脅威―ベトナムの二輪市場―」参照)。価格がUS$400〜500程度とされる中国製に対抗するため、ホンダが低価格モデル(US$700程度)を投入したところ、これくらいの価格差ならばブランドと品質のいい方を、という消費者の選択により良く売れ、順調にシェアを伸ばしてきた。
    ベトナム政府では02年になってから国内の二輪部品産業の育成のため、部品の現地調達率が高いほど関税率が低くなるなどの措置を講じたことに加え、中国製の輸入部品を国内製と偽った企業の摘発を行うなど規制も強め、このため中国製二輪の勢いが鈍った。ホンダの低価格モデル車の好調と合わせて、これらを良く思わない中国筋からの圧力により輸入制限枠の導入が行われたのではないかという。
    しかし、輸入制限は部品の包括的なものであり特に外資系企業にきびしいものであったため、価格では中国製と競合しないモデルを生産しているメーカー、あるいは関連部品メーカーでも、既に生産台数が制限枠を越えた、または近づいていたために操業に大きな支障が出たものである。日系各社とも、ベトナムのバイク市場は拡大するとの見方から、今年の生産計画を拡大していたが、追加枠によっても当初計画は達成できず、また来年以降の見通しも立たないため、対応に苦慮している。
    また、ベトナム政府はこれまで認めていなかった二輪の完成車の輸入を、03年から100%の関税をかけて認めるよう方針転換を明らかにしており、国内産業の育成を図るのか輸入を進めるのか、政策の整合性を疑わせることにもなっている。
    今回の措置は今のところ二輪に限ってのものであるが、ベトナムに展開する日系製造業関係者には、これに類する不利益な政策が他の業種にも及ぶのではないかと危惧する向きもある。東南アジア諸国への外国からの投資が伸び悩む中、他国に比べて治安面、コスト面などで優位に立つベトナムではあるが、今回の二輪部品輸入制限措置は今後の同国への外国投資の流れを左右しかねないものであり、今後注視していく必要がある。


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