台湾駐在員報告
2017年8月 社会・時事 駐在員 : 宮崎悌三
シンガポールの自転車シェアリングサービス「Obike(オーバイク)」が、今年4月に台湾に上陸し4か月が経過した。シンガポール本国でも今年1月に始まったばかりのこのサービスは、スマートフォンで専用のアプリケーションを使用し、ロックの開錠・施錠、利用料の決済まで一元的に管理する。特定の駐輪場は設けず、自由に乗捨てられることを最大の特徴としている。自転車の位置は、衛星利用測位システム(GPS)で、空いている最寄りの自転車の位置を確かめることが出来る。
しかし、利用上の問題も指摘されている。すでに台湾で広く利用されている「Youbike(ユーバイク。微笑単車)」と異なり、特定の駐輪場を設けないため、自転車を駐輪場にとめず、オートバイの駐輪場や歩道、ビル非常口などにオーバイクが放置されるなど、無秩序な駐輪問題が表面化し、市民から多くの苦情が地元市政府などに寄せられる事態となっている。
公共のスペースである駐輪場を、私企業が投資することなく利用する事業モデル自体を問題視する意見も聞かれ、オーバイクのサービスが行われている台北市などでは、自治条例の制定を検討する動きも活発化している。
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