韓国駐在員報告
2016年11月 社会・時事 駐在員 : 松村昭宏
韓国統計庁の発表によると韓国での失業者の3人に1人が大卒以上の高学歴者であることが分かった。統計庁が10月17日に明らかにしたところによると、2016年7〜9月期の失業者は98万5千人で、そのうち32%に当たる31万5千人が4年制大学卒以上の学歴を持っているとした。大卒失業者が7〜9月期に30万人を超えたのは、1999年に関連統計の作成を開始して以来、今回が初めてとのことである。
統計庁では、大学設立自由化で「学歴インフレ」が急速に進み、大卒失業者の割合が高くなったものと見ている。高卒者の大学進学率は1990年に33.2%だったが、2014年には70.9%と経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最も高い水準に達した。これによって2005年に15.3%だった失業者に占める大卒者の割合はその後上昇を続け、2008年(20.5%)以降は20%台、そして2016年にはついに30%台に到達した。専門大学(2年制)卒業者も大学卒として含めると、2016年7〜9月期の失業者のうち大卒者の割合は44.5%に上る。
2016年9月の失業率は3.6%で、9月としては2005年以来、この11年間で最も高くなっており、若年層の失業率も9.4%でこれも9月としては過去最高となっている。
日付別一覧 地域別一覧 分野別一覧
|