中国駐在員報告
2023年12月 経済 駐在員 : 石川 祐介
11月5〜10日、世界最大級の国際展示会「中国国際輸入博覧会」が上海市で開催された。中国商務省の発表によれば、第6回目となる今回は、世界128か国・地域から3,400社以上の外資企業が出展し、日本からはユニクロや無印良品など国別で最多の約 350 社・団体が参加した。
日本貿易振興機構(JETRO)は、日本酒・焼酎150品目を展示・試飲できる大型ブースを設置して日本産食品をPRしたが、水産物の輸入停止で食品事業者の出展が大幅に減ったこともあり、「日本の関係者にとっては盛り上がりに欠ける展示会だった」との声も聞かれた。
現在、日本からの輸入食品は水産物のみでなく、「昆布エキスを使った麺つゆ」や「海苔を使ったお茶漬け」など幅広い水産物を原料とした加工食品にも影響が及んでいる。
一方、日本食は中国ですっかり定着して底堅いニーズがあるため、これまで日本産の商材を扱ってきた中国の商社は、原材料に水産物を含まない新商品を探したり、今後の輸入規制緩和を見込んで、水面下で日本メーカーを探す動きも見られる。
処理水問題の影響等で、本県における中国への輸出意欲は決して高くないが、鹿児島県など九州の自治体では、「日本から中国への輸出品が減る現在は、焼酎の認知度向上の好機」とPRを強化するなどの動きもある。上海事務所では、今後も現地バイヤーからの商品供給ニーズなど、成約率が高い現地情報を収集し、県内にフィードバックしていく。
JETROパビリオンの日本酒・焼酎試飲コーナー
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