北米駐在員報告
1999年4月 社会・時事 駐在員 : 若梅 真樹
・日本人女性監督がアカデミー短編賞受賞
アメリカ映画界最大のイベントであるアカデミー賞の授賞式がロサンゼルスのドロシー・チャンドラー・パビリオンで開催され、ニューヨーク在住の日本人女性伊比恵子さんがドキュメンタリー(短編)賞を受賞した。
日本人としては、1992年に映画「ドラキュラ」で衣装デザイン賞を獲得した石岡暎子さん以来の快挙である。
この作品は伊比恵子さんがニューヨーク大大学院の卒業制作として制作した作品であり、今回の受賞でいきなり頂点を究めた形となった。
一方、授賞式の華麗さとは裏腹に、ハリウッドの映画産業には陰りが見え出している。
その要因としては、年々高騰している制作費により、これまでハリウッドを中心に映画制作を続けてきた制作者の多くが制作費の安いカナダや南米地域に制作拠点を移しており、その結果関連下請け業者、技術者、小道具、衣装などの映画産業関連労働者の雇用が悪化し、失業者が増え続けている実情がある。
また、映画業界では映画を制作するより、映画のDVD化、レンタルビデオ業など確実な方法で稼ぐ方向に転換していこうとする傾向も見られ、ハリウッド映画産業の経済的効果が今なお大きな位置を占めている中で、今後の成り行きが注目される。
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