• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 交流・まちづくり > 国際交流 > 地域外交課 > 海外駐在員報告 > 東南アジア駐在員報告

ここから本文です。


東南アジア駐在員報告

2001年8月 経済
駐在員 : 岩城徹雄


    725日から28日にかけてミャンマーの首都ヤンゴンを訪問し、大学の研究者や地元企業関係者、日系企業の駐在員に話を伺う機会を得たので、ミャンマーの社会・経済状況についての印象などを簡単に報告する。
    (1)国内状況
    1988年にクーデターにより政権を掌握した現在の軍事政権は、それまでの鎖国状態から脱し対外開放を進め市場経済への移行を進める方針をとっている。外国投資法の整備による外国資本の受入れ促進、外国人入国制限緩和による観光客誘致、民間投資の自由化などによる経済規制の緩和(自由化)、国有企業の民営化等10年以上にわたって各種の政策をとっているが、進捗は遅いようである。アジア通貨危機の97年以降、最近は経済統制的な政策も多くなっている。
    92年から95年にかけて年平均7.5%の経済成長率を達成したものの、96年以降は通貨危機による外国投資の減少、通貨価値の下落によるインフレ加速などで平均5.7%に下がっており、99年、2000年は10.913.2%という高成長率が発表されているが、実態を反映した数字とはいえないようである。
    (2)産業構造
    就業人口の65%が農業に従事する農業国である。GDP構成比は一次産業が58%、二次産業が11%である。二次、三次産業の40%近くが国営企業で、財政赤字の3分の2が国営企業の赤字であるなど、この改革(民営化)が課題であるが、あまり進んでいないようである。

    (3)輸出産業の現状
    9597年あたりには、外国企業もミャンマーに注目し投資ミッションも多かったが、通貨危機以降統制色が強まり現在は一時のブームも冷めたようである。
    政府は外貨の保有量を保つため極端な輸入制限をしており、輸入ライセンスの取得が困難になっている。自動車は数年前から輸入禁止になっており、街を走るのは日本製の中古車ばかりであった。
    為替管理も厳しく、企業が輸出で得た外貨を元にしか輸入できない。原材料を輸入し、加工した製品を輸出するCMP(Cutting、Making、Packing)と呼ばれる委託加工業ばかりで、実質的には加工賃がミャンマーに落とされるだけである。付加価値をつけられるような輸出産業は育ちにくく、現在は縫製業が輸出の大部分を担っている。
    また、徴税基盤が弱く国全体の税収は対GDP4%しかないため、確実に税を徴収できるよう輸出で得た収入は一度銀行に預けさせ、ここで捕捉し輸出税10%が課される。さらに引き出す際にはFECと呼ばれる兌換券での引き出しになる。現在ミャンマーの通貨チャット(K)は公式レートでは1US$=6Kであるが、市中では1US$=約600Kと100倍の開きがある。FECでの価値は1US$=約500K程度とレートが悪く、例えば輸出で100US$稼いだとすると10%輸出税が引かれ、さらに銀行から90US$分をおろす際には悪いレートでということになるため、60000K分を稼いだのに45000K分しか手元に入らないという不利な条件を強いられている。この措置は外国企業に限ったものでなく、100%ミャンマー資本の企業にも適用されており、しかも明文の規定がなく突然にこのような取り扱いの変更がよく行われるとのことで、地元経営者も嘆いていた。
    (4)投資環境
    投資環境としては低賃金ほかの低コストで生産できるメリットを除き、周辺ASEAN諸国に比べ、現在はあまり芳しくない。製造業のインフラは、停電が多く各工場自前の自家発電装置を保有する必要がある、幹線道路から少しそれると工業団地内でも道路が舗装されていない等整備が遅れている。
    インフラについてミャンマーで唯一国際水準を満たす工業団地といわれているのは、日系商社とミャンマー政府合弁で開発したミンガラドン工業団地である。ここも販売区画がなかなか埋まらず苦戦している様子であったが、空港に近接し幹線道路にも接しているので、中規模の工場で軽くて付加価値の高いもの(できればハイテク製品)の製造に適しているとの話であった。

      (連絡先;Mingaladon Industrial Park Co.,Ltd.
      Tel;+95-1-639001 Fax;+95-1-639017
    (5)市内の様子
    ヤンゴン市内の治安はそれほど悪くなく、観光客でも普通に町を歩ける状況であった。通りには屋台や路上でみやげ物や食べ物などを売る人や買い物客も多く出ており、それなりに活気を感じた。町行く人はほとんど例外なく民族衣装のロンジーと呼ばれる腰巻をつけ、子供や女性は虫除け・日焼け止めのためにタナカという樹液を乾かしたパウダーを顔に塗っており、独特の雰囲気である。皆、敬虔な仏教徒で、平日でもパゴダ(仏塔)でお祈りをささげる人が多い。
    大学教授へのインタビューで、若者や労働者は現状に満足しているのかと質問したところ、仏教の教えであまり多くを望まぬようにとされているとのこと。また、若く優秀な人には、外国で勉強し自分で起業し道を開こうとする人も多く、ミャンマーの今後の発展も期待できるとのことであった。


    バゴダでお祈りをする人々



    ヤンゴン市の中心街

    一般の工業団地の内部

お問い合わせ

知事直轄組織地域外交局地域外交課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3066

ファックス番号:054-254-2542

メール:kokusai@pref.shizuoka.lg.jp