東南アジア駐在員報告



2011年11月 社会・時事
駐在員 : 長谷川卓


    9月末にタイ北中部から始まった洪水被害がついにバンコクにまで拡大した。10月5日にはアユタヤが冠水。水没した世界遺産の仏教遺跡群や屋根を残して水没したアユタヤ近郊の工業団地内の工場群の様子が放映された。ジェトロバンコク事務所によれば、10月31日現在、アユタヤ〜バンコク間に位置する7つの工業団地で、依然として洪水が発生している。
     10月中旬以降はバンコク都内への浸水が始まり、10月29日の大潮の時間帯にはバンコクの約3分の1が浸水被害を受けた。
     深刻なのはタイのみならず日本、アセアンへの影響である。タイは、アセアン最大の日本の投資先国であり、約7000社の日系企業が拠点を持つ。二輪車、自動車、電子・電気製品等の日系製造業の集積が進み、素材、部品のサプライチェーンがタイ国内で完成している。部品によっては他国への供給基地にもなっているため、工場水没によるサプライチェーン寸断の影響は、タイ国内だけでなく、日本はもとより世界に波及することとなる。
    日本政府がアセアン最大の投資先国でもあり、世界有数の親日国家でもあるタイへの支援に積極的に取り組むべきは当然だが、100社を超える静岡県企業が事業所を置くタイへの支援を検討することは、地域外交を標榜する静岡県にとっても重要なことと考える。

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