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ヨーロッパ駐在員報告
1999年10月 政治 駐在員 : 森 貴志
東海村放射能漏れ事故―欧州各紙一面トップ
10月1日付けの英主要各紙はいずれも茨城県東海村で起きた放射能漏れ事故を、一面もしくはそれに準じる取り扱いで大きく報道した。
有力紙タイムスが「日本で深刻な事故」との見出しで写真入りで報じているほか、経済紙ファイナンシャルタイムズも一面トップと異例の扱いをしている。
一方、テレビも大きな取り扱いをしており、ドイツ各局も事故の現場の様子や、現地特派員からのレポートなど、トップ項目に挙げられており、英国BBC放送では、「日本の原子力産業は今回の放射能漏れ事故により、最も深刻な危機に直面している。」と報じていた。
また、ウィーンの国際原子力機関(IAEA)は、原子力事故に関する国際評価尺度の「レベル4」以上の「重大事故」である可能性があるとの見解を示した。
この評価尺度は、7段階からなり、レベル4以上は「重大事故」としている。参考までに、79年の米国スリーマイル島原発事故が「レベル5」、86年のチェルノブイリ原発事故が最高の「レベル7」であった。今回の事故はこれからの調査により「レベル5」に引き上げる可能性もあるとしている。
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