台湾駐在員報告
2019年7月 政治 駐在員 : 内藤 晴仁
2020年1月、4年に1回実施される台湾総統選挙に現総統の蔡英文氏が立候補を表明、党内手続きを経て、このたび民進党候補者として正式に選出された。
蔡英文氏は、昨年11月の台湾統一地方選挙で大敗する等、支持率の低迷が続いていた。民進党主席を引責辞任したばかりの蔡英文氏の立候補は党内に困惑を与え、頼清徳氏(元行政院長)を総統候補に推す声が高まっていた。
しかしながら、今年に入り、中国の台湾に対する「1国2制度」導入への反対や香港のデモ活動への支持等を表明したことで、蔡英文氏への支持率が急速に上昇、米中貿易摩擦勃発による台湾企業の投資回帰等も追い風となり、民進党予備選で実施された世論調査では、蔡英文氏が約8ポイントの差をつけて頼清徳氏を破り、民進党の総裁候補者の座を勝ち取った。
対抗する最大野党国民党には、韓国瑜氏(高雄市長)や郭台銘氏(鴻海精密元会長)等、勢いと知名度のある政治家が候補者の座を争っている。その他、無所属で人気の高い柯文哲氏(台北市長)にも出馬の噂もある。
台湾の将来を決める重要な総統選挙が動きだそうとしている。今後の展開から目が離せない。
日付別一覧 地域別一覧 分野別一覧
|