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ヨーロッパ駐在員報告
2002年2月 政治 駐在員 : 森貴志
・欠陥ユーロ通貨の流通見つかる
欧州12か国で今年1月1日から開始されたユーロ貨幣流通は、完了に近づいているが、最近、偽造通貨とも疑われかねないような欠陥のある硬貨が相次ぎ発見されるようになってきた。
流通を控えて早急かつ大量に鋳造しなければならなかった強行スケジュールがこの欠陥硬貨流出の原因とみられているが、今後もこうした不完全硬貨が見つかるようであれば、市民らのユーロに対する不信感が強まる恐れがある。
1月中旬、イタリアでは、本来異なっているはずの1セント硬貨と2セント硬貨の裏のデザインが全く同じである両硬貨が見つかった。また、通常硬貨の表は各国共通のデザインであり、2ユーロの表は二重丸デザインでその内側の円内は金色である。しかし、ドイツでは、全面銀色の2ユーロ硬貨が発見された。
ドイツの造幣所では、厚さ、高さ、幅、重さに関する基本的なチェックをはじめ、欧州中央銀行(ECB)やドイツ連銀による無作為抽出検査など多くの関門を設けていることから、欠陥硬貨が流出する可能性はないと言っていた。しかし今回、だれが見ても明らかな鋳造ミスが発覚したことで、同造幣所幹部も「欠陥硬貨が紛れ込む可能性はある」ということを認めざるを得なくなった。
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