韓国駐在員報告



2022年2月 社会・時事
駐在員 : 高橋 誠


 韓国では旧正月を祝う習慣があり、今年は2月1日の火曜日が元日であった。前後各1日も公休日となるため、前週の土曜日から5連休となった。首都ソウルでは、連休初日の1月29日(一部、連休明けの2月3日)から、新型コロナウイルスの検査体制が変更された。
 韓国では「選別診療所」と呼ばれる検査場が各地に設けられており、ソウル市内だけでも臨時の検査場も含め、80か所以上存在する。これまでは、ここに来れば、誰でも無料で、症状の有無にかかわらず、「PCR検査」を受けることができ、検査の結果は翌日の9時か10時頃にはSMSなどで本人に通知されるのが一般的だった。
 しかし、オミクロン株の流行に伴い感染者が急増する中、政府は検査体制をさらに強化する必要があると判断し、60歳未満の者は原則、先に「迅速抗原検査」を受けた後、ここで陽性だった場合に限り、改めてPCR検査を受けるという体制に切り替えた。地方によっては、抗原検査は各家庭で行い、そこで陽性だった場合に検査場を訪れるように促している。
 制度変更が旧正月連休前で、親族を安心させるために、帰郷前に検査を希望する者が増えることが見込まれたことを考えると、人口の多い首都ソウル市が連休初日に抗原検査を導入したことは、タイミングとしては若干遅かったのではないかと思われる。導入前日の1月28日金曜日の帰宅時間帯には、ソウル市役所前にあるソウル広場の選別診療所に長蛇の列ができていた。
 これらの制度変更を受け急に需要が増えた物が「迅速抗原検査キット」である。薬局で購入可能だが品切れが続出し、価格は場所によっては一時3倍程度まで値上がりした。私の知人が勤める日系企業においても、会社でキットを購入し、職員が迅速抗原検査を行えるようにし、「週明け初日に全員の陰性を確認した」という話を聞いた。自治体によっては、高齢者や妊婦に、あるいは市民全員に無償配布をするというところもある。政府は十分な量があるので慌てないよう促しているが、オミクロン株の出現により、これまで以上に感染者が身近になってきたことが、国民一人一人の警戒感を少し高めているのは確かだ。

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