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ヨーロッパ駐在員報告
2000年4月 政治 駐在員 : 森貴志
英国産牛肉、禁輸解除
ドイツ連邦参議院は、フィッシャー連邦保健相(緑の党)から提出されていた英国産牛肉に対する禁輸解除法案を可決した。これにより欧州委員会が独国に対し、禁輸措置は欧州連合(EU)の条約違反であるとして始めていた訴訟手続きは無効となった。
この決定を受けて、ドイツでは4月から英国産牛肉が再び販売されることになった。ただし、ドイツの輸入業者が英国産牛肉を販売する場合には、その旨を明示することが義務付けられ、英国直輸入の牛肉は「XEL」、他国を経由した場合は「英国XEL牛肉」と記した六角形のマークを表示することになった。
しかし、禁輸解除には反対者の危惧も強く、ノルトライン・ヴェストファーレン州のへ―ン環境相(緑の党)は狂牛病の人体の影響には未解決の問題が多く、さらに英国では昨年2600件以上の狂牛病が発生したことを指摘している。また、表示義務が実際に遵守されるか危惧する意見もある。
これに対してフィッシャー連邦保健相は、欧州委員会がドイツにおける英国産牛肉の表示を義務付けたことを高く評価し、「現在の状況下では最善の消費者保護策」だとして、欧州全域の表示義務導入を要請している。
XEL:export eligible(輸出適合)
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