韓国駐在員報告
2018年11月 経済 駐在員 : 野原 靖
韓国特許庁によると、韓国でAI(人工知能)を活用した医療技術「AIドクター」に関する特許出願件数は2013年には48件であったが、2016年は127件と急増している。
AIドクターの特許出願は、90%以上が疾患の診断と健康管理に集中しているが、治療、手術など、活用分野は多様化する傾向にある。出願はサムスン電子が最も多く、政府系シンクタンクの韓国電子通信研究院、韓国科学技術院と続き韓国企業などによる出願が大部分であるが、独シーメンス、米クアルコム、グーグル、マイクロソフトなど外国企業も出願している。
近年、特許出願が急増しているのは、AIと精密医療分野に対する韓国政府の積極的な投資と、人工知能基盤プラットフォームの発展と普及が重なった結果だと分析される。
海外企業に比べ後れを取ったものの、韓国企業もAI研究センターを設立するなどAIドクターに多額の投資を行っており、肺結節や脳梗塞が疑われる部分を表示する国内のベンチャー企業のAI映像診断機器が食品医薬品安全処の許可を受けるなど、AIドクター開発に対する機運が高まっている。
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