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東南アジア駐在員報告
2000年11月 政治 駐在員 : 岩城徹雄
フィリピンのエストタラーダ大統領、弾劾裁判に
違法とばくの売上金を受け取ったとされるエストラーダ大統領に対する辞任要求の動きが加速している。
11月4日には、アロヨ副大統領、アキノ元大統領、ラモス元大統領、シン枢機卿などが出席した集会が開かれ、10万人とも言われる参加者とともに、これまで、女性問題、飲酒癖、とばく疑惑など自身の生活に関する問題点を指摘され続けてきた同大統領に対して辞任を迫った。11月に入って、ロハス貿易産業相が辞任したり、上下両院議長も議員40名余りを率いて与党フィリピン民衆政党を離脱するなど、大統領に対する求心力は急速に低下している。
地元紙によれば、下院で弾劾裁判実施に賛成する議員は規程の3分の1にあたる73を大きく上回る118人に上り、実施が確実と見られている。経済界でも反大統領の声は大きく、エストラーダ政権は長続きしないというのが大方の見方である。
アロヨ副大統領は、10月末に野党連合を結成し自らリーダーとなり、大統領就任に意欲を見せているといわれているが、当面フィリピン政局は緊張が続くものと思われる。
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