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東南アジア駐在員報告2003年6月 経済 ベトナム 東アジアで中国に次ぐ高い成長率を維持するベトナムに注目
また、先ごろ世界銀行が発表した4月末時点における東アジア主要国・地域の経済成長率によると、やはりベトナムは7.0%と中国の7.2%に次ぐもので、東アジア全体では、SARSの直接的な影響により、従来の見込みに比べ0.3%押し下げられ、5.0%と見ている。 こうした各調査機関の予測を見ると、東アジアの主要国の中でもベトナムの健闘が目立っている。ベトナムはここ3年間、5%を超える成長を続けており、その要因として、好調な対米輸出と、農業、工業、サービス部門のバランスのとれた拡大が続いていることが上げられる。 実際、経済の好調さを裏付けるデータとして、民間企業数が昨年末までの3年間に倍増して10万社を超え、100万人の新規雇用を創出したことがベトナム計画投資省の調査で明らかになった。2000年に企業の設立を容易にした改正企業法が施行されて以来、民間企業数が急増している。 これまでの日系企業によるベトナム投資の特徴は、第3国からの迂回投資が中心とされ、既に中国やタイ等に工場進出している企業が増産・増設に際し、一極集中を避けるため、第2、第3の製造拠点として、ベトナムを視野に入れてきたことである。 今後も、こうした傾向が続くのか、SARSの発生による世界の工場と呼ばれる中国への投資の趨勢にどのような変化が見られるのかと共に、ベトナムから目が離せないのではないかと感じている。ちなみに、静岡県企業のベトナムへの進出は、ここ数年間の傾向では微増となっている。 最後に、ベトナムでの経営上の課題として、過去のJETROの調査結果によると、@現地部品調達の困難さ、A現地通貨/ドルの変動、B行政手続きの複雑さ、C他社との競合、Dインフラ未整備が上位に挙がっている。 |
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