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韓国駐在員報告

2015年12月 経済
駐在員 : 松村昭宏


政府系シンクタンクの韓国開発研究院(KDI)は政府に対し、産業政策の枠組みを海外の工場で作られた韓国製品を売る「メード・バイ・コリア(Made By Korea)」を中心に据えるよう変えていくべきだと提言した。韓国企画財政部関係者が明らかにした。KDIは現在の韓国内で商品を生産する「メード・イン・コリア」に代わる概念として、メード・バイ・コリアを提示した。これまで政府は技術流出や国内の雇用問題への懸念から、韓国企業が海外に生産施設を移すことに消極的だった。しかし、グローバル・バリュー・チェーン(GVC:複数国にまたがり財やサービスの供給・調達を行う体制)が広がる中、国内での生産に固執していると韓国製品の競争力が悪化しかねないため、発想の転換が必要だという主張が出ている。ただ、国内にある生産施設を海外に移せば、ただでさえ冷え込んでいる韓国内の雇用状況がさらに悪化する恐れもある。また、政府が企業の海外進出に財政的な支援を行えば、雇用を海外に流出させるのに国民の税金が使われるとして批判を浴びる可能性もある。同部関係者はさまざまな問題があるとした上で、「具体的な政策成果、実際にやるのであればその方法、来年の経済政策に反映させるのか、などを検討している」と話した。

国内生産施設の海外移転はかつて日本も直面した問題であり、その際も、また今もなお国内産業の空洞化への懸念が取りざたされる事柄であるが、経済をより一層強固なものへと進化させるためには避けては通れない通過点と言えるのかもしれない。


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