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ヨーロッパ駐在員報告
1999年9月 経済 駐在員 : 森 貴志
フランスでも養鶏飼料疑惑
ベルギーのダイオキシン汚染鶏問題につづいて、フランスでも家畜解体場などの浄化施設から出たヘドロが鶏の飼料に混入していたことが発覚した。イギリス、ドイツでは早くもフランス産の鶏を敬遠する動きがあり、すでに生産過剰の養鶏業者に打撃を与えている。
ヘドロ混入の実態は今年4月に全国不正取引防止調査局が報告書で告発していたが、先月、ドイツの放送局が取り上げたことから欧州各地で反響を呼んだ。
ベルギーのダイオキシン汚染事件を受けて、フランスではすでに鶏の売上が大型店だけで20%減を記録、卵はさらに深刻で、養鶏業の中心であるブルターニュ地方は苦境に立たされている。グラバーニ農相の要請による養鶏に関する報告書では、現在、鶏は供給過剰で1,500箇所の養鶏場のうち600〜700箇所を閉鎖すべきと結論が出ている。
食品の安全に関しては、ここ欧州ではきわめて敏感であり、緊急事態が発生すると特定業者のみならず、業界全体を襲う大問題となってしまう。
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