韓国駐在員報告
2020年1月 経済
駐在員 ： 野原 靖
近年、韓国では「KIDULT」層として認知される若者を中心に、アニメやゲームの人気が高まっており、関連市場が拡大している。「KIDULT」とは、KIDとADULTの造語で、日本やアメリカのアニメ、ゲーム、漫画を愛し、それらを体験して育った20代から40代の年齢層を指す。購買力が高く、韓国のアニメ、ゲーム、漫画市場を支えている。
これを受け、当事務所は12月14日から15日にかけ、京畿道高揚市のKINTEXで開かれた「Anime X Game Festival in Seoul」に出展した。
ブースでは、静岡に縁のあるプラモデルメーカーや食品メーカーと連携したくじ引きイベントを実施。さらに、「ラブライブ・サンシャイン」で有名な沼津市や、清水港の擬人化キャラクター等に携わる県内企業にも声掛けし、アニメの聖地巡礼マップの配布、ご当地キャラ商品の物販・試食及びアンケート景品イベントを行った。反応は上々で、通常の観光展を訪れる客層とは異なる新たな層に対し、静岡―仁川路線活用を促す本県ＰＲを行うことができた。
また、「孤独のグルメ」で有名な日本のＴＶ局や多数の有名キャラクターの版権を有する韓国大手エンターテインメント企業などのブースを訪問。日韓の業界関係者と新たな関係を築き、本県とのコラボレーションの可能性についても意見交換することができた。
市場規模が小さい韓国は、コンテンツ制作費を回収し利益を残すために全世代が共感できる国民的な人気を持つコンテンツの制作をせざるを得ない一方、市場規模が大きい日本の場合は特定層だけを対象としても利益を得ることができ、その結果、多種多様なコンテンツが生まれ、韓国人にも魅力的なものになっている。今後も多様な業界とのコネクションを増やし、新たな仕掛けを企画していきたい。
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