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ヨーロッパ駐在員報告
2001年8月 経済 駐在員 : 森貴志
欧州中央銀行(ECB)は8月定例理事会を開き、主要政策金利の定例オペ入札金利について、最低応札金利を4.50%に据えおくことを決め、緊急貸出金利(現行5.50%)、中銀預入金利(同3.50%)も変更しなかった。
ユーロ圏の景気はドイツを中心に予想以上に急減速している一方、昨年の原油価格高騰やユーロ安による石油関連製品の値上がり、狂牛病や口蹄(こうてい)疫発生に伴う食料品価格の上昇などを受け、ユーロ圏のインフレ率が依然高留まり状態にあるため、金利を据えおくこととしたもよう。
しかし、今年6月のユーロ圏の消費者物価は前年同月比3.0%上昇と、5月の3.4%上昇を下回り、7月のドイツ消費者物価指数暫定値も前年同月比2.7%上昇と、6月の同3.1%上昇を下回っている。このようにドイツを中心に高留まっていたユーロ圏のインフレ率も5月をピークに今後は徐々に鈍化するとみられており、来年には物価安定の目安となる2%を下回ると予想されている。
こうした中、ドイツの一部のエコノミストは、ユーロ圏の景気失速を懸念しているECBが近いうちにも追加利下げに踏み切ると予想している。
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