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東南アジア駐在員報告
2000年7月 政治 駐在員 : 岩城徹雄
タイ、下院議員の大量辞職で政局混迷
2000年10月からの来年度予算を審議するタイ国会が6月28日から始まったが、その初日に、野党の最大会派である新希望党の下院議員約100人が、早期解散を求めて議員を辞職した。チュアン首相はこの動きに対し、議員の責務の放棄と強く非難したうえで、予算案と選挙関連法案などが成立しなければ解散に応じないとの考えを示した。
タイでは上院選挙が3月4日に行われたが、相次ぐ選挙違反で数回のやり直し投票が続いており、まだ一部の議席が確定していない。7月25日に5回目のやり直し選挙が行われる予定だが、上院の発足は8月になる模様。このほか、7月23日には首都バンコクの都知事選挙、7月27日からはASEAN地域フォーラム閣僚会合がバンコクで開催予定など、重要な政治日程が詰まっている。また、上院が開かれないと選挙関連法案が成立しないなどの理由もあり、解散は9月以降になるのではとの見方が強い。
なお、6月下旬にタイの地方都市チェンマイを訪れ地元の学者と話しをする機会を得たが、憲法改正で政治改革や地方分権が進むような制度となったものの、実際には中央集権、金権選挙から脱するのにはかなりの時間と努力が必要とのこと。いつまでも定まらない上院の議席などを見ると、この話にもうなずける。
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