中国駐在員報告
2016年10月 政治
駐在員 : 土屋岳久
中国の戸籍制度は日本の戸籍制度とは異なり、「農業家庭戸(以下、農村戸籍)」と「非農業家庭戸(以下、都市戸籍)」という2種類に区別されており、受けられる社会保障や公共サービスも異なっている。
例えば、農村戸籍の者が都市部で義務教育を受けるためには、同じ教育を受ける都市戸籍の者よりも多くの費用がかかるため、親が子供を農村に残し都市部へ出稼ぎに行かねばならず、残された子供が自殺をするという痛ましい事件も起きている。
そんな中、9月20日付けの新京報によると、2014年に国務院が出した、農村戸籍と都市戸籍の区別をなくすよう指示する「戸籍制度改革に関する指針」を実行に移す形で、北京市が戸籍制度改革に関する指針を発表し、農村戸籍、都市戸籍の区別をなくし、教育や社会保障等の制度を一本化する方針を打ち出したと報じた。
これら制度の一本化は単独都市の問題にとどまらないため、解決は簡単ではないと思われるが、国民の基本的権利に関係する問題であるだけに、何らかの解決策が見つかることを期待する。
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