東南アジア駐在員報告
2020年4月 社会・時事 駐在員 : 福田 渉
世界各地で新型コロナウイルスが蔓延する危機的状況の中、自国のリーダーが何を語るのか国民は注目をしている。
シンガポールのリー・シェンロン首相は、感染が広がり始めた2月上旬に一部の消費者による買いだめ騒動が発生した際、噛んで含めるような落ち着いた口調で語り掛け、騒動を沈静化させた。感染対策担当のローレンス・ウォン国家開発相は、政府が連日対策を強化し、厳しい規制について批判の矢面に立って説明を行うなか、国会答弁でウイルスと最前線で戦う医療従事者に対して感謝の言葉を述べようとした際、感極まって涙を見せた。医療に従事する公務員に対しては、すでに閣僚や財務次官の給与、全国会議員の手当をカットして彼らに還元する取組が行われている。3月中旬、リー首相は再びカメラの前に立ち、ウイルスとの戦いが長期戦になる見方を示す一方で、医療・経済・心理的負担などあらゆる面で政府が対策を講じると語り、国民と共に前進できるように協力を呼び掛けた。
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