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ホーム > 交流・まちづくり > 国際交流 > 地域外交課 > 海外駐在員報告 > 東南アジア駐在員報告

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東南アジア駐在員報告

2016年2月 経済
駐在員 : 芦澤 裕之


東南アジア諸国連合(アセアン)加盟10か国は、2015年12月末に、アセアン経済共同体(AEC)を発足させた。

AECは、基本計画である「AECブループリント」において、「単一の市場と生産基地」「競争力のある経済地域」「公平な経済発展」「グローバル経済への統合」の4つの目標を掲げている。

この中で、もっとも関心が持たれているのは、モノ、ヒト、サービスの自由な移動などを含む「単一の市場と生産基地」である。2018年までに域内の関税を撤廃した上で、税関手続の簡素化や、技能労働者の自由な移動を進めることにより、アセアン6億人による生産基地や消費市場としての魅力を高めることを目的としている。

それでは、AECが発足することにより、経済活動が劇的に活発化するのだろうか。有識者や日本企業の現地駐在員等の話を聞く限りでは、急激な変化が起こるというよりは、緩やかに改善が進む、という表現の方が正しいようだ。たとえばベトナムでは、税収の多くを関税収入に頼っているため、税収の不足分を非関税障壁で取り返そうとする結果、モノが域内から自由に入ってくる状況にはなっていないと聞く。また、ヒト、サービスの移動の自由化については、各国の経済規模の違いや思惑があって、思い通りには進展していないようだ。

こうした声がある一方で、生産体制からの要請や、物流インフラの高度化を背景に、域内連携による生産活動は着実に進んでいる。2011年のタイ洪水の際、製造業のサプライチェーンが分断された苦い経験を糧に、タイ以外の国に生産拠点を設ける「タイプラスワン」の取組は、ここ数年で相当進展している。また、各国の得意分野に特化した工程の分業を進めている企業もある。昨年視察したミャンマーの日系自動車部品工場では、労働集約的な作業をミャンマーで、その他の部分をインドネシアで、というように工程分業していた。

今後AECの計画が順調に進めば、こうした動きがますます域内に広がり、「規模の経済」を獲得することで、アセアン全体での経済成長が可能となる。この結果人々の購買力も増して巨大消費市場となり、さらなる経済成長が進む・・・という好循環に向かうことができるかどうか。東南アジアに駐在し、こちらの人々の前向きで楽観的な性質に日々触れている私は、もちろん楽観的に考えている。


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