台湾駐在員報告



2017年2月 社会・時事
駐在員 : 内藤晴仁


 日本統治時代の台湾で生まれた日本人「湾生(わんせい)」をテーマにした書籍「湾生回家(わんせいかいか)」は台湾で映画化、日本でも上映される等大きな話題となった。

この書籍の著者は祖母が「湾生」で自らはその孫であるとし、その身分や生い立ち等を書籍や映画の宣伝等で活用、台湾文化部(日本の文部科学省に相当)は「湾生回家」が優れた出版物として「金鼎賞(きんていしょう)」を授与した。
 
 このたび著者が自らの身分詐称を告白したことで波紋が広がっている。文化部は「金鼎賞」の取り消しを検討する姿勢を示し、「湾生回家」の出版社は、書籍購入者が希望すれば返金に応じることを決定した。

この影響で著者が関与した映画「湾生回家」の内容にも懐疑的な目が向けられたが、映画の制作をした黄銘正監督は、出演した「湾生」は全て本物であることを説明し、ドキュメンタリー映画としての正当性を主張した。
 
 「湾生」を取り上げた功績を無にする著者の行為は残念でならない。これにより「湾生」の事実や名誉、尊厳が汚されないことを切に願っている。

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