韓国駐在員報告
2019年4月 社会・時事 駐在員 : 小関 克也
韓国では、年がかわると税金の申告の季節となり、サラリーマンの所得については日本の年末調整と同様の処理が行われる。その処理をする際に、いろいろな控除があるが、特に耳慣れない控除が「クレジットカード控除」だ。
これは、簡単にいえば、「クレジットカードやデビットカード等、カード決済された費用が一部所得控除される」というもので、もともとは1997年末のアジア通貨危機により韓国の財政がひっ迫したため、脱税の温床となる現金決済を減らし、カード利用を増やすことを目的として1999年に設けられた制度である。
この制度の導入の効果は大きく、2015年度の調査で決済額に占めるクレジットの割合は72.3%、デビットカードが17.6%、電子マネー0.1%と現金以外の決済が90%を占めるまでに上昇している。(同じ調査で日本において現金以外の決済比率は18.3%)。
クレジットカード控除はあくまで通貨危機対応の時限措置であったが、廃止はサラリーマンなどにとって増税になるため反対意見が多く、これまで何度も延長されてきた。そして、今年も何度目かの最終年の予定年であったが、政府与党は3年間の延長を決めたとのことである。3年後には大統領選挙もあるため、その対策との意見も聞かれるが、とりあえずサラリーマンとしては、やれやれといったところか。
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