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北米駐在員報告
2001年6月 行政 駐在員 : 若梅真樹
・電力危機での対立
ブッシュ大統領は、ロサンゼルスでカリフォルニア州デービス知事と電力不足問題について会談した。しかし、連邦政府が高騰する電力卸売価格の上限設定などの規制に踏み切るよう求めたデービス知事に対し、大統領は、電力卸売価格の上限価格方式導入について連邦政府として反対の考えを表明し、同州の電力危機問題で、連邦政府と州政府の対立が一段と鮮明化したものとなった。
大統領は、連邦政府の対策として、低所得者層を対象にエネルギー費用援助のための1億5,000万ドルの追加支援や送電線の拡充方針を示した。一方、デービス知事は、卸売価格の監督当局である連邦エネルギー規制委員会(FERC)が法的責任を果たしていないことについて法的手段に訴える方針を表明した。
発電所の建設が進んでいない同州では、今後夏の電力需要のピークを迎え、大規模な計画的停電が断続的に発生することが避けられないという。また、莫大な電力料金を負担する事態となれば、州経済はリセッションに陥り、米国経済に波及するのではと懸念されている。
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