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東南アジア駐在員報告2002年10月 社会・時事 シンガポールに新しい舞台芸術施設完成
この総合舞台芸術施設はシンガポール川の河口に建てられているが、近隣には国際コンベンションホール、ホテル街、東南アジア一のオフィス街、政府庁舎などがある。また、移転して装いも新たになった国のシンボル「マーライオン像」や博物館など、観光施設にも徒歩で行ける距離にあり、海外からの誘客もにらんだ戦略的な立地を感じさせる。また、MRT(地下鉄)の駅、バス停留所も近くにあって交通は便利で、地下にはICカードを利用した自動料金徴収のハイテクシステムを取り入れた駐車場も完備しており、出入りはスムーズである。 建物の内部には、2棟をつなぐ回廊にショッピングモールが配置されたほか、コンサートなどの観客以外の来訪者も利用できるよう、音楽や舞台芸術関係の資料を集めた図書館、スタジオ、屋外テラス、屋上の展望広場などの施設が集められている。中心市街地への人の流れを呼び込めるように、建物の周りには植栽が施され水辺のプロムナードも整備されており、夜にはライトアップもされている。周辺一帯が一般の国民にも憩いの場を提供できる快適な空間を形づくっており、早くも人気のスポットとなっている。 経済の面では目覚しい発展を遂げてきたシンガポールであるが、文化の面では遅れているといわれる。10月13日から始まるオープン記念イベントでも、ニューヨークフィルハーモニックなど世界の一流アーティストを招いた他、自国のアーティストの演目も多く組まれ、また日本の劇団を始めとするアジアのアーティストの公演もあり、文化面でも東南アジアのハブを目指すという国の意気込みが感じられる。 |
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