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東南アジア駐在員報告
2012年7月 経済 駐在員 : 長谷川 卓
6月28日、ホテルインドネシアケンピンスキーで開催された在インドネシア日本大使館主催の自衛隊創立記念レセプションに、日本の自治体として静岡県が唯一参加し、日本茶の試飲サービスを行った。
インドネシア政府高官、同国軍上層部、各国大使館関係者など約300人が招待されたレセプションでは、珍しさもあってか、用意した煎茶、抹茶入玄米茶が予想を上回る人気を博した。
今回は、今年2月からインドネシアで自社製品の販売を開始したハラダ製茶(島田市本社)の輸入代理店の協力で、同社製ティーバッグを提供していただくとともに、現在ジャカルタ在住で、唯一日本茶インストラクターの資格を持つ静岡市出身の佃寿江(つくだとしえ)氏に呈茶をお願いした。ティーバッグといえども日本茶は、淹れ方次第ではかなり味と香りが引き立つことから、会場には茶の香が漂い、特に香りが良くて色がきれいとのことで抹茶入玄米茶が人気となった。
また、27日には、静岡県と国際交流基金ジャカルタ日本文化センターとの共催で、前述の佃氏に講師をお願いして、「日本茶の淹れ方講座」をインドネシアでは初めて開催し、同センターの職員、同センターの茶道教室参加者、ジャカルタ市内のティーショップ経営者など20人が参加した。
リーフ(茶葉)の高級煎茶、同じくリーフの普通煎茶、インドネシアで販売されているティーバッグの抹茶入玄米茶と3種類の日本茶の淹れ方について説明、実技、試飲を行った。試飲の結果、ティーバッグの玄米茶が一番人気となってしまったことには、リーフ茶の普及に努める使命をもつ日本茶インストラクターの佃氏を始め、主催者の日本人は、お茶だけに苦笑いするしかなかった。
最大の日本茶生産地である静岡県にとっては、海外市場においてもリーフ茶の需要拡大が目標ではあるが、急須などの茶道具が普及していない海外で、さらに日本茶独特の苦味に慣れない外国人向けには、まずは淹れるのが簡易なティーバッグや玄米茶のように香り付きのフレーバーティーに親しんでもらうことが重要かもしれない。
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