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ヨーロッパ駐在員報告
2001年8月 経済 駐在員 : 森貴志
英国発時事通信によると、イングランド銀行(英中銀)が大方の予想を裏切って電撃的な利下げに踏み切ったと報じている。
これは、「世界の経済指標は予想よりも悪化している」とし、米国、日本を始めとする世界的な景気後退が、実際に英国経済に跳ね返る恐れへの予防的措置としておこなったものであり、主要先進国の中で、例外的といってもいいほど好況を維持してきた英国といえども、無視できない状況であることを示している。
英国経済は現在、消費は好調だが、企業部門にかげりが見られるなど「二極化」の兆しが見えてきている。見かけ上は、住宅価格の高騰による資産増加効果で個人消費が堅調な上、現在失業率も過去最低水準で推移している。
しかし、IT(情報技術)関連など輸出型産業は業績にかげりが見え始め、好調だった雇用にも影響が出始めている。
このため、英産業界からの利下げ要請が高まっている中、イングランド銀も時間の経過とともに企業部門の悪化が進行するのを見越して先手を打ったとみられる。
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