韓国駐在員報告
2023年7月 経済 駐在員 : 高橋 誠
韓国ウォンに対し円安が急激に進行している。6月19日にはウォン/円の為替レートが一時100円当り900ウォン台を下回り、2015年6月以来8年ぶりに800ウォン台に突入した。
この円安のおかげで、韓国人による訪日旅行が活況だ。韓国の航空統計によると、今年1月から5月までの間に日本を訪問した旅客数は約350万人に達する。 前年同期の約7万人と比べると約50倍だ。航空券も日本路線が増えたおかげで、一時期よりだいぶ安くなっているし、例えば800円(約7,200ウォン)のランチはソウル市内のランチ代(10,000ウォン前後)と比較しても格安に感じる。「日本はタクシー代が高いと聞いたが、東京の初乗りは500円。ソウルの基本料金は4,800ウォン(約600円)で、むしろソウルの方が高い」という声もある。
旅行最大手のハナツアーの場合、6月第3週は前週比約3割増の予約率で、特に北海道と大阪を中心に増えているらしい。同社は静岡を目的地とした商品も販売しており、富士山静岡空港を利用した商品も着実に売れている。旅行予約プラットフォームのマイリアルトリップでは、海外の航空券売上のトップ3を大阪、東京、福岡と日本主要3都市が独占している。一方、大阪等は韓国人旅行客が多すぎて「韓国人があまりいない地方に行きたい」という声も聞く。県内のゴルフ場に関する問い合わせも増えている。円安訪日旅行のおかげで、地方への注目も増しつつあると言える。
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