東南アジア駐在員報告
2018年8月 社会・時事 駐在員 : 芦澤 裕之
スーパーで弁当やコロッケなどの惣菜を買って、レジ袋に自分で詰める―日本では当たり前の光景であるが、これまでシンガポールにはこうした「文化」はなかった。温かい食事を好む中華系住民が人口の7割を占めるこの国では、作り置きの食事が嫌われている。また、スーパーではレジの店員が袋詰めまでしてくれるのが当然のサービスとなっている。
こうした文化に日本のディスカウントストア「ドン・キホーテ」が挑戦している。6月にビジネスエリアに開店したシンガポール2号店では、店舗内に大きな「弁当、惣菜コーナー」が設置され、レジで購入した商品をセルフで袋詰めするシステムが導入されている。開店1か月の現在、ランチ時を中心に多くのオフィスワーカーが昼食用に弁当、惣菜を購入している。セルフ袋詰めによりレジの行列も緩和されている様子だ。
数年前、私が当事務所のローカルスタッフに、スーパーのレジでの行列を回避するためには袋詰めをセルフにした方がよい、と話したところ「そんな店には行かない」と笑われた経験がある。はたしてドン・キホーテがこうした「文化」を変えることができるか、要注目である。
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