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東南アジア駐在員報告2008年11月 政治 フィリピン・・・フィリピン経済区(PEZA)長官 との面談 10月8日に、日比経済連携協定がフィリピン上院で批准され、2006年9月の提携以後2年の歳月を経て、同協定がようやく発効する運びとなった。これで、フィリピンで生産されていない四輪自動車の現地組み立て部品の関税即時撤廃など、両国間の貿易総額の約94%の品目について即時もしくは順次関税が撤廃される。 この動きを受けてフィリピンでは、日本からの投資が増えることに大きな期待を持っており、多くの日本企業が操業場所として選ぶPEZAでは、日本企業の誘致活動にデ・リマ長官自ら日本を訪問し、東京、大阪などでセミナーを開催するなど積極的な動きをしている。デ・リマ長官はその豪腕と実直な仕事振りから、ラモス、エストラーダ、アロヨの3代に亘る大統領からの任命を受けており、これは他に例を見ないことである。 先日、渥美泰一静岡県議会議員の助力により、日本に出発する数日前の同長官に面談する機会を得た。フィリピンで操業している静岡県企業のリスト(社名、所在地、業種、従業員数)と、静岡県企業の海外展開状況リストを提供し、当県企業には固有の生産技術を持った優秀な企業が多いことや、県企業による雇用創出効果が大きいことなどを説明した。同長官は、熱心に耳を傾けて聴いた後、静岡にも訪問するべきだった、次回は是非静岡を訪ねる旅程を組むように部下に指示を出したと述べた。また、フィリピンの印象を尋ねられたので、残念ながら多くの日本人には治安が悪いというイメージが強く、日本でのセミナーでは是非そのイメージを払拭するような内容を取り入れられてはいかがかとご進言したところ、長官も同国のそのようなマイナスイ・メージをご存知で、大変気にしておられた。 1時間以上に亘る面談であったが、最後に、静岡県企業の更なる投資の増加を期待していること、また、自分には当地で操業する企業に良い操業環境を提供する責任があること、特に汚職は決して許さないと、テーブルを叩きながら強い口調で繰り返したその姿が強く印象に残った。 |
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